太田光代さん、酒造とスイーツの町・佐久市の魅力を語る

2019年の大型台風で被災した地域を、旅をしながらツイートで応援する【FUKKOツイート旅「#2020ここは行くべき14都県」】。その一環として、唎酒師の資格を持ち、日本酒のプロデュースも手掛けるタイタン社長・太田光代さんが、2020年の3月に、被災から立ち上がった酒どころの長野県佐久市を訪問しました。この記事では、太田社長自らの舌で感じた佐久のお酒の魅力や、旅グルメをご紹介いただきます。

全国で唯一の「凍米造り」を継承する老舗蔵元

──太田社長といえば、大の日本酒通として有名です。唎酒師の資格をお持ちで、2016年には日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会から「名誉唎酒師酒匠」に任命されていますね。

沢の鶴さんで一からお酒を造ったこともあるんですよ。その経験から、酒造りの工程や機械がどんな働きをするかもわかるので、今回の旅はとても楽しみにしていました。

──佐久市では、台風19号での蔵元の被害が多かったそうですね。

そうそう。一番最初に行った木内醸造さんでは、倉庫などかなり広い範囲が水害に遭っちゃって、従業員みんなで何日もかけて泥を掻き出したそうです。酒造りって、代々引き継いできた設備と麹と製法が揃って、初めてその酒蔵の味が出せるのですが、水害や災害などで被害に遭って麹が流されたり設備が破損したりしてしまうと、同じものが作れなくなってしまう。伝統を守るのは大変だけど、なくなってしまうのはあっという間なんです。

──木内醸造さんは、どんな酒蔵なのですか?

全国で唯一、凍らせた米を醸す「凍米造り」を行っているんだそうです。寒冷な佐久の気候を生かした酒造りですね。今回訪ねた蔵元全部にも言えることなのですが、水のおいしさがすごく生きている感じがするお酒でしたね。お酒通の方にもおすすめの味です。

またここは、清酒「菊盛」だけでなく、「常陸野ネストビール」やワインや米焼酎など、いろいろな商品をつくられているんです。昔ながらの蔵で、骨董品や歴史的な写真がたくさん飾ってあって、美術館みたいなんですよ。蔵人さんたちが休む長ーいこたつとか、昔の女中さんたちがいた部屋を見せていただけたのも面白かったですね。

兄弟で営む蔵元の銘酒をワイングラスで試飲

──佐久は信州。お昼はやっぱりお蕎麦ですよね。

今回訪ねたのは、「磊庵(らいあん)・はぎわら」さんでは、「水萌えそば」といって、冷水に浸したソバの実が発芽する、いちばんおいしい時をお蕎麦にしているそうです。

いただいたのは「水萌え手碾きそばセット」。この地域に昔から伝わる手回しの石臼で挽いた太いお蕎麦は、もっちりとしていて弾力があってとてもおいしかったです。まず、佐久の湧き水でいただくと、鼻に抜けるソバの香りが楽しめましたね。この食べかた、ソバだけでなく水も美味しくないといけないので、家では絶対無理なんですよ。次にお塩をパラパラとつけて。そばつゆはマグロの出汁を使っているそうで、深い味わいがありました。

──次に訪ねた大澤酒造さんは、どんな酒蔵でしたか?

蔵元のお兄さんと杜氏の弟さん、仲の良いご兄弟が営んでいる酒蔵です。「明鏡止水」というお酒を作っていらっしゃるのですが、ここのお酒はどなたでもおいしくいただけるお酒だと思います。素直な味っていうのかな。

「せき」「垂氷」「明鏡止水」 「磨35」の順番で、あっさりしたものからワイングラスで試飲させていただきました。こちらのお酒のような雑味の少ない日本酒は、薄口の白ワイン用のワイングラスで飲むのがベスト。香りもしっかり楽しめます。

こちらの酒蔵は、外にあまり出さずに、「酒蔵や佐久の酒屋に来て買ってください」というスタンス。ここもまた、由緒ある武将の甲冑とか、骨董品や古美術品がたくさんあって美術館化しているので、試飲と合わせて見学も楽しめました。

「日本三大ケーキの街」で出逢った絶品スイーツ

──お次に訪ねたのは「Peters(ピータース)」さん。

今回の旅で一番意外なスポットでしたね。佐久って、自由が丘、神戸と並んで、「日本三大ケーキの街」と言われているらしいんですよ。リンゴなどのフルーツやミルクや卵など、いい素材が揃っているから、そう呼ばれるようになったらしいですね。

私、お酒を飲むようになってからはあんまり甘いものって食べないんですが、ここのケーキは気に入ったので、お土産にも買って帰りました。タルトタタンにナッツ系のケーキ、あとプリン。プレーンのプリンとゴマプリンの二種類があって、両方買って帰りました。夫はナッツ系のケーキとプリンを食べたのですが、両方おいしいと言っていましたよ。

こちらのお店はチョコレートにも力を入れているんですが、日本酒とチョコって、実はマリアージュ的にすごく合うんです。特にブランデーのように熟成した古酒がいいですね。日本酒とチョコ、佐久の新しい名物として面白いかもしれませんね。

抜きん出た名水が、最高の日本酒を産む佐久

──最後に訪ねたのが、佐久の花酒造さんです。こちらのお酒「佐久の花」はマニアの間では入手困難なで有名だそうですね。

そうなんですよ。8種ものお酒が全種類試飲できるんですけど、ほぼ全種類飲みました(笑)。これがまたそれぞれの味が絶妙に違って、高級感のある味わいのお酒もあれば、気軽に楽しめるお酒もあったし、ものすごい激辛みたいなお酒もありました。「辛い」というのは、非常にスッキリサッパリしているということですね。

ここで驚いたのは、透明に近い一升瓶に瓶詰めされた商品ですね。これはよっぽど自信がないとできないことなんです。なぜかというと、日本酒って光に当たると味が変わってしまうんですよ。だから普通は光をあまり通さない黒っぽい茶色っぽい瓶を使うんです。透明に近い瓶を使うということは、おいしくてすぐに飲みきってしまうから保存する必要がないという自信の現れなんですね。

あとこちらでいただいた粕漬け、これがまた酒に合うんです。色が薄かったので、おそらく塩と粕だけでシンプルに作っているんだと思います。私、酒を飲んでも酔わないのに粕漬けだと酔っちゃうので、ちょっと苦手だったんです。でもこちらの粕漬け、というかこの地域の粕漬けはおいしくいただけました。

──最後に、今回佐久を巡ってみて何が印象に残りましたか?

みなさん優しくて、フレンドリーなのが印象的でした。それとやっぱりお水ですね。日本全国お水はおいしいですけど、なかでも佐久の水は抜きん出ていると思いました。だから当然、お酒もおいしい(笑)。まあ、こんな感じなので、趣味と実益を兼ねて大変楽しく復興支援ができてよかったなあと思っております。

ちなみに今回、長野県の酒蔵をめぐってスタンプを集めるスタンプラリーシートを手に入れました。佐久には今回訪ねた3酒造を含めた13の蔵がありますので、スタンプを集めながら蔵めぐりをしてみるのもいいんじゃないでしょうか?

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